インド音楽は、インド亜大陸の先住民の音楽と 6000年以上もの間にわたって移住してきた色々の民族の音楽との融合によってできあがっています。

インドの伝統音楽には二つの主流があり、ひとつはペルシアや中近東の影響の強い北インドの伝統音楽であるヒンドゥスターニー音楽、もう一つは南インドの伝統音楽であるカルナータカ音楽です。ヒンドゥスターニー音楽とカルナータカ音楽は共に、ラーガ(音階に似た音律組織)とターラ(リズム様式)の二音楽の理論体系によって調性と拍節が構成されています。

楽器では南インドのビーナー,北インドのシタールサロッドサーランギなどの弦楽器,北インドのシャーナイ,南インドのナーガスワラムなどの管楽器などがあります。ドラムで有名なものは北インドのタブラ、南インドのムリダンガなどがあります。

それでは少し民族音楽の雰囲気を味わってみましょう!


『インド民族音楽集/ラビオリ選』YouTube

またインド出身の音楽家に、音楽愛好家ならだれでも知っている世界的指揮者ズービン・メータ(英語:Zubin Mehta)もいます。ズービン・メータは1954年にウィーン国立音楽大学に留学し、1958年にリバプールで行われた指揮者の国際コンクールで優勝し一躍注目されました。彼の父メーリ・メータも指揮者であり、地元のボンベイ交響楽団の指揮者として活動しました。

ズービン・メータはコンサートのみならず、オペラにおけるレパートリーも広範にわたっており、かつての巨匠指揮者を偲ばせる芸風だと評判です。1965年にメトロポリタン歌劇場でヴェルディの『アイーダ』、ザルツブルク音楽祭でモーツァルトの『後宮からの誘拐』を指揮し大成功を収めました。各地での野外オペラや、三大テノールといった大きなイベントをまとめ上げる手腕は、高く評価されています。

ズービン・メータは日本においてもまた、2008年第20回高松宮殿下記念世界文化賞の音楽部門を受賞。2012年の東日本大震災の後には「あのような悲劇の後で日本の国の人々を精神的に励ますために何か貢献したい」との強い願いを胸に、東京文化会館で歌手とNHK交響楽団と共に演奏をしました。

『ズービン・メータ「第九交響曲」開幕直前メッセージ』YouTube

『ズービン・メータ『田園』ベートーベン作曲交響曲第6番』YouTube

彼は、トウガラシなしでは食事もできないそうです。そのため名の通ったレストランに行く時でさえ、いつもトウガラシを持ち歩いています。ロサンゼルルスの自宅の庭で三種類のトウガラシを栽培し、マッチ箱のような小さな箱に入れて持ち歩くのだそうです。

またインド映画音楽についてです。インドは、年間映画制作本数も映画館観客総数も世界一多い映画大国です。1995年公開のインド映画「ムトゥ 踊るマハラジャ」は、日本では1998年6月から単館上映されました。これは日本公開のインド映画としてかつてない入場者数を記録し、ビデオソフト(VHS・DVD)も発売されました。

恋愛映画の一シーンで「オレ オレ オレ(=Ole Ole Ole)」 で、美声で歌いながら踊っているアクシャイ・クマールはキング・オブ・アクションとも呼ばれるほど、現在ではインド映画界を代表する有名なトップスターです。

『オレ オレ(=Ole Ole Ole)|アクシャイ・クマールによる歌と踊り』YouTube

ラブコメディー「オー オー ジェーン・ジャアナ(=Oh Oh Jane Jaana)」サルマン・カーン主演「Pyaar Kiya Toh Darna Kya」(1998)の歌とダンスシーンです。裸のマッチョな胸をさらけ出したり楽器を投げたりなどは、ちょっとビックリですね~。

『オー オー ジェーン・ジャアナ(=Oh Oh Jane Jaana)サルマン・カーンによる歌YouTube

新しい作品では『Zila Ghaziabad 映画』 YouTube内の26分2秒目から30分29秒目までに、音楽と踊りがあります。

『Zila Ghaziabad 映画全編 | 2017年ヒンディー映画』 YouTube

ここで、海外のミュージシャンとインド少数民族音楽との融合例を紹介します。

ロンドンにある大学(SOAS)で民族音楽を学んだアメリカ生まれのミュージシャンのSarathy Korwarは、州都から200km以上も人里離れた、インド西部のラタンプールという小さな村を訪れました。そこには500年以上前にアフリカの南東部から商人や船乗りなどとして流れ着いてきたり、ポルトガルの奴隷として連れてこられた少数民族Siddi族が暮らしています。

Siddi族の音楽は打楽器を中心として反復的で即興性がとても強く、異なるリズムを同時に演奏し一つのリズムを作り出すポリリズムは、アフリカ土着の音楽の特徴を残していました。

ミュージシャンである彼は少数民族Siddi族と会い、Siddi族の音楽をサンプリングしてジャズと融合させました。その後彼はSiddi族の音楽に、ギターやドラムなどによる即興演奏をかぶせる形で楽曲を作り上げていきました。その結果出来上がったアルバム「Day to Day」の作品は、2016年にイギリスを中心に大きな反響を呼びました。

インド音楽には色々な楽器や色々な音色があり、ちょっと微笑ましくも日本人の心の恩人でもあるクラシック音楽の巨匠もいたりするのですね。伝統音楽も何か懐かしさもあったり、海外音楽とのコラボ等々、インド音楽には数多くの面白い側面がこれからもまだまだ出て来そうですね。